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【Physics Seminar #01】
光で毛が抜ける原理
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光脱毛の原理
光でなぜ毛が抜けるのか

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結論は「タンパク質の熱変性」

タンパク質は一定の温度以上になると本来持つ機能を失います。 これを「熱変性(タンパク質の熱変性)」と呼び、有機化学や細胞生物学などで用いられる 最もベーシックな特性の1つです。

熱変性が一度起こると、温度を下げても機能は復元しないことも、大きな特徴です。
たとえば、卵を温めると雛がかえります。しかし、高温にまで温めると"ゆで卵"になります。一度ゆで卵になると冷やしても雛はかえりません。これも「熱変性」です。

毛乳頭は「タンパク質」です。ほんの少しの間でいいので、毛乳頭の温度を70degC以上に熱すると、毛乳頭は熱変性を起こし、本来の「毛根幹細胞(毛が作られる幹細胞)を基に毛幹を作る。」「毛根をしっかりホールドする。」という機能を失います。


光脱毛の基礎原理


光脱毛の原理を簡単に書くと、
1.毛幹内にあるメラニン色素(黒色)が光を吸収して熱くなる。
2.毛幹から毛乳頭に熱が伝わり、ある温度以上で、毛乳頭が「熱変性」を起こす。
3.毛乳頭が毛を作る機能と毛幹をホールドする機能を失い、毛が抜ける。


このページでは、この原理についてご紹介します。


毛乳頭はけっこう深い

毛乳頭に熱を与えることで、熱変性を起こし、毛が抜けます。 では、どうやって毛乳頭に熱を与えましょうか。。 体の部位や毛の成長段階によって異なりますが、毛乳頭は肌表面から3~5mm程の深さにあります。 3~5mmの深さのタンパク質を一瞬でもいいので70℃にすることは、実は簡単ではありません。




熱の届け方を考える

毛乳頭は70℃にまで加熱したいのですが、バーナーで炙ったり、真っ赤になるまで熱した鉄の棒を肌に押し付けるわけにはいきませんね。笑 毛乳頭と肌表面の間には、健常な肌細胞(ケラチノサイトと呼びます)があります。毛乳頭を70℃にするには、毛乳頭の上に乗っかる健常な肌細胞に70℃以上に熱しないといけません。
さて、人がやけどする温度は45℃以上です。45℃の低音なら1時間、70℃以上なら1秒で皮膚組織の破壊が始まるといわれています。
熱をそのまま毛乳頭に届けようとすると、さすがに火傷は避けられないですね。。




「光」で熱を届ける

晴れた夏の日中、黒い服と白い服では、黒い服の方が熱いですよね。 外気温は35℃くらいなのに、黒い服の表面は40℃あったりします。 黒い服の表面は、外より暑いって不思議ですよね。 なぜ黒い服の上で、+5℃の熱が生まれたのでしょうか。 世の中には「エネルギー保存則」という物理の根幹となる理論があります。 黒い服の上で、何もないところから熱が生まれるわけがありません。
光が熱に変換されたのです。光はエネルギを持っています。 エネルギは熱にも運動にも変換することができます。

※これは物理のお話です。神秘のエネルギーや気持ちのお話ではありません。


光の持つエネルギーを計算

光はどれだけのエネルギーを持っているのでしょうか。 それは、プランクの法則の光子振動のエネルギーから求めることができます。 (光子振動のエネルギー≒光のエネルギー)

E=hν=hc/λ
E:エネルギ、h:プランク定数、ν:光の振動数、c:光の速度、λ:光の波長

高校や大学で物理を専攻されていた方はお馴染みの式かもしれません。 つまり、光のエネルギーは振動数に比例し、波長とは反比例の関係です。

ここで皆様にお伝えしたいことは、「光はエネルギーを持っている」ということです。
黒色は、光の持つエネルギーの90%以上を吸収し、熱になります。白色は、10~20%ほどしか吸収しません。 夏に黒い服を着ると暑いワケですね。




光で…うちの懐中電灯でも脱毛できる?

光は電磁波の一種です。光の正体についてはこちらをご覧ください。 どんな光でも脱毛できるワケではありません。 その理由は2つあります。

 - そこそこ高い光のエネルギーが必要
 - どんな色の光でもいいわけではない

誤解を恐れず、原理原則だけを大胆に表現すると、懐中電灯よりは強い光を出せる機械で、光の色をコントロールできれば脱毛はできます。




そこそこ高い光エネルギーとは

まず"そこそこ高い"とは書いた理由は、「高すぎる必要はないから」です。 当サロンのマシンで必要となる光エネルギーの計算式は、こちらににまとめました。ぜひご覧ください。
脱毛に強い光は必要か




光に色がある?

光は電磁波の一種です。波です。 光子(フォトン)という素粒子が波のように振動して、目に見える現象です。 この光子の振動の速さを波長といいます。 波長によっては、「光」として目に見えたり、見えなかったりします。 また、色がついて見えたりします。 詳しくは当ページ下部をご覧ください。→光とは?




脱毛に都合の良い光はない

ここが脱毛機メーカーが熱心に研究する領域です。

光に波長が短すぎると・・・
エネルギが高く黒い物体に当てると多くの熱が生じます。しかし、肌の奥深くにある毛乳頭付近にまでエネルギを届けることができない。また短い波長の光は血中ヘモグロビンに吸収されてしまいます。

光に波長が長すぎると・・・
肌の奥深くにある毛乳頭にまで光を届けることができますが、そもそもエネルギが高くなく、毛乳頭に当たっても70℃に熱せない。長い波長の光は体内の水分子に吸収されてしまいます。




毛幹の熱伝導を利用

光を毛乳頭に直接届けようとしても、上記のように血液や水分に邪魔されたり、エネルギが低かったり、お肌の奥深くに届かなかったり…と、何かと困難なことが現状です。 そこで、毛乳頭より浅い「毛幹(毛そのもの)」を熱し、毛乳頭に熱を伝えることができればと考えました。もちろんお肌表面の毛幹を熱しても、毛乳頭まで熱が伝わらないので、毛幹のなかでも、なるべく毛乳頭に近い部分を狙って照射します。

熱伝導とは、固体内部において、高温側から低温側に熱が伝わる現象です。




「毛幹の熱伝導」だけに頼るのはムリがある

固体内の熱の伝わりやすさは、材質によって異なります。毛幹や毛乳頭などタンパク質の熱伝導率は0.2[W/(m-K)]です。1メートルの長さの髪の毛の両端に1℃の温度差がある場合、1秒間に流れる熱量は0.2ワットということです。 そこから計算すると、毛管を熱くして熱をそのまま毛乳頭に伝えようとすると、毛幹は78-82℃程度の高温状態にないといけません。 そして、毛幹から約0.5秒間で毛乳頭に熱が移動します。その間、毛幹は78-82℃くらいの高温が続きます。 毛乳頭は熱変性を起こし毛は抜けますが、毛に触れている毛穴表面のお肌の細胞は火傷をする可能性が高いです。火傷の症状がでなくても肌負担は非常に高い状態となり、色素沈着や肌荒れの原因となることが多いです。

これが『IPL方式』と言われる脱毛方式です。




「高効果」と「低肌負担」の両取りを狙う

毛幹を高温にするだけで毛乳頭の熱変性を行うのはリスキーです。
ではどうするか。

それは、非常にシンプルです。
最初から毛乳頭の温度を少しでも上げておくことです。

毛乳頭は体温より少し低い30~34℃くらいです。 光を照射して毛管を熱するのと同じタイミングで、赤外線を照射し、毛乳頭を45℃程度に温めてしまいまうす。そうすることで、毛幹を72℃ほどにするだけで済みます。さらに高温にする時間も0.23秒と半分の時間で済みます。IPLより低温・短時間で済むこの方法が、効果を出しながら、肌負担を低減させる技術です。

これがORCHIDの脱毛方式です。
当サロンが脱毛方式を選定する際に、この方法が、目的に対して最も論理的と方法論と判断しました。




毛穴はなくなるのか

毛穴はなくせます。熱変性が起きて機能を失った毛乳頭は、肌を構成する組織には不要なものと判断され、肌細胞(ケラチノサイト)のターンオーバーと一緒に排出されます。そのため、結果的に毛穴はなくせます。しかし、条件が揃うことが必須です。その条件は、

・毛乳頭とその周辺組織に、しっかり熱変性が起きていること
・毛乳頭のその周辺組織以外は、しっかり機能していること

これが必須条件となります。




毛穴をなくす条件1

毛乳頭とその周辺組織に、しっかり熱変性が起きていること
毛乳頭と周辺組織がしっかり熱変性を起こさないと、細胞内のミトコンドリアが酸素からエネルギを生み続け、細胞が角質になりません(角化しません)。もちろん、毛乳頭だけが熱変性しても効果は少ないです。毛穴をなくすには毛乳頭周辺の組織も熱変性を起こす必要があります。周辺組織は黒くないので、一般的な脱毛機では熱変性を起こすことはおろか熱を与えることもできません。当サロンのマシンでは、赤外線照射による黒色に頼らない「水分子昇温」のメカニズムと、熱せられた毛乳頭の熱伝導と放射によって、毛乳頭周辺組織の熱変性を実現しました。




毛穴をなくす条件2

毛乳頭のその周辺組織以外は、しっかり機能していること
熱変性した毛乳頭や毛穴を構成する周辺組織がターンオーバーの流れに乗って排出されるには、グロスファクターや代謝酵素など、毛穴以外の肌細胞がしっかり機能している必要があります。
毛乳頭と毛穴を構成する周辺組織以外も熱変性してしまうと、ターンオーバーが滞ってしまします。要するに、必要以上にお肌にダメージを与えては、毛は抜けても毛穴はなくならないということです。




「永久脱毛」は「永久に無毛」ではない

医療機関のレーザー脱毛と比較される方も多いようです。 それは「永久脱毛は医療機関だけ」という宣伝を見たからではないでしょうか。 これは法律上、「永久脱毛」という“言葉”を医療機関しか使えないだけです。

永久脱毛の定義は
施術して1ヵ月後の毛の再生率が20%以下であること
です。
10000本脱毛して1ヵ月後に2000本も再生したら、エステサロンでもクレームレベルです。
その程度の要件であれば、一般的な脱毛サロンならどこでも永久脱毛と言えてしまいます。

「永久脱毛」という言葉に、既に価値はありません。
アメリカでは脱毛をPermanent hair removalと呼びます。ニュアンスとしてはただの「パーマ」です。美容室でパーマをかけて、数か月後にパーマが取れて怒る人はいませんよね。日本人は“Permanent”を「永久」としか訳せず、「永久」を未来永劫と捉えてしまったのが、誤情報を生んだ原因だと思います。(うまく利用して誤解を誘引する広告も多く見かけます)。


医療でもエステでも効果は同レベルです。

差があったのは昔の話。テクノロジーは常に進歩しています。
レーザーによって焼き切る方法も、光照射によって熱変性を起こす方法も、結局は毛乳頭はなくなりますので、毛が生えてくることはありません。
レーザーを使っても、光を使っても、新たに毛乳頭が再生する可能性は『同じ』
私たち人間は「多細胞生物」です。沢山の細胞がそれぞれに別々の機能を持ち集合した生物です。細胞は代謝と細胞分裂を繰り返します。 人間は約2兆個の肌細胞を持ちます。その中から「毛穴に分化できるDNA構造を持つ細胞」すなわち「毛乳頭に変化する可能性のある細胞」を1つずつ見つけて無くしていくことは困難です。
レーザーでも光でも、毛乳頭を無効化することはできても、毛乳頭になる細胞を無効化することはできません。したがって、どちらで脱毛しても効果は同じレベルと言って過言ではありません。


毛の再生する可能性は遺伝子構造上の確率論でしかない

「毛穴に分化できる(毛穴になれる)DNA構造を持つ細胞」がゼロにならない以上、毛穴になる細胞が生まれ、毛穴ができる可能性はあります。 物理学の理論上、永久に毛が生えてこない肌をつくることはゲノム編集をしない限り、「不可能」と断言できます。 医療で「永久脱毛」をしても、サロンで「抑毛」をしても、毛乳頭や毛穴をなくせます。 そして、細胞分裂によって新たに毛穴が生まれる確率は、医療で脱毛しても、サロンで抑毛しても、何一つ変わりません。

現在、ゲノム編集は倫理の観点からNGです。倫理を超えた科学は凶器・兵器となります。 そういった面で、ここが現代科学の限界と言っていいでしょう。






肌美容の物理学

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